詩集 不条理な香り

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山根 史郎(やまね・しろう)


記憶が舟のように揺れている
生も死も
すべては時の破片にすぎないのだろうか
見いだされたかけらの持つ
優しいまなざし
言葉にならないことばたちが
すべてを包みこむ 
消えていく音のように。

(詩「不条理な香り」より)


 「詩集 不条理な香り」は、アンドリュー・ワイエスや長谷川潔の絵画や、大岡信、吉行淳之介、安部公房らの文学など、いくつもの芸術作品を背景に、新しい不条理を詩作に投影した作品集です。 


【目 次】

Ⅰ 天使幻想
 海の部屋
 沈黙をめぐる十二の壺絵
 ワイエスへの追想
 クレーの天使
 ある静物画

Ⅱ 不条理な香り
 不条理な香り
 夏の闇 二〇一一年
 秋の重みに
 夢の破片

Ⅲ 春夏秋冬
 「春 少女に」への変奏
 初蝶へのソネット
 砂と植物群
 砂の女
 白い家
 白昼夢
 砂の景の静寂
 星の力と曼珠沙華
 詩画集『彼岸花』に寄せて
 秋の変異
 秋の結晶
 渚を夢む
 河口を夢む
 伊良子清白のいた風景

Ⅳ 病中閑詩
 昇降機少女
 釉薬の眠り
 点々滴滴
 春日狂想


【著者について】
山根 史郎
一九五二年(昭和二七)鳥取県倉吉市生まれ。

既刊詩集
「形象」 一九八一年(昭和五六)
「鏡の島」 一九九一年(平成三)
「腐食する憑依のかなた」 一九九五年(平成七)
「砂嘴の風景」 二〇〇五年(平成一七)